出会い系ランニング
「急に立ち止まらないで少し歩く方が楽だよ」
俺はまだ全然走り足りなかったけど、笑美の周りを歩いてみせると、彼女も身を起こして息を整えながら俺の横について公園内の遊歩道を一緒に歩いた。
公園は池を中心に木々に囲まれていて、風に揺れる葉のざわめきや鳥のさえずりを聞きながら木洩れ陽の中を歩いていると気分が良い。森林浴効果かな?
黙って歩いてサンダルをペッタンペッタン言わせてる笑美にも、森林浴効果が出ているといいな。
「運動靴ある?」
「学校用のしかない」
うーん、あぁそうだ。
「走る用に買ってあげるから、一緒に走ろうよ」
「‥買ってもらったりしたらオヤジに怒られる」
「じゃあ俺の家に置いておけばいいよ。それならいい?」
「‥うん」
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