RealGameー恐怖は終わらないー
これは現実だった。


芹香は、もういない……。


俺は路上で立ち止まり、ずっと耐えていた涙を流した。


「……なんで……芹香なんだよ……」


山路結登の携帯電話からランダムで選ばれたのが他の人間だったら。


ほんの少しのタイミングでルーレットがずれていたら、芹香は今でも、俺の隣で……。


「ねぇ、この新作ゲームやった?」


不意に、芹香の笑顔が浮かんできた。


ニコニコと微笑みながら、手にはゲームを持っている。


「……いや……まだだけど……」
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