まだ知らない愛。

笑いは絶えることなく、私もつられて笑っていた。

教室に戻って真藤翔の席を見たけど鞄がなかったから今日は来ていないんだと思う。
そういや眼鏡がどうとか言ってたなぁ…
眼鏡が無くても十分見えてたような気がするけど…。
あ、明後日が終業式だ！
黒板の済に書かれた終業式の予定。
ってことはやっと夏休みが始まるんだ！
なんていろいろ考えているうちにHRは終わったので私は葵さんに言われた通り急いで玄関へ向かった。
「あれ？瞬さんは？」
玄関でヤンキー座りをしている三人に聞くと
少し気まづそうに昴さんが答える。
「なんか、呼び出されたから先に行っといてくれって」
「そっか」
きっとテストの点が足りないとか遅刻が多いとかで先生に呼び出しでもくらったのだろう。
玄関を出ると目の前にドーンと止められた誰よりも目立っている黒のベンツ。
本当に遠慮ないなぁ…。
朝送ってくれたヤクザのお兄さんが私たちに気づくと車のドアをあけた。