生涯の人… 〜Dearest〜

20歳の夜

いつもだったら急用以外、遥はすぐに返信してこない。

携帯見つめるのが癖になったのは…そのせい。


でも…。

どこからそんな自信が湧いたのかはわからないけど。




今夜は返事が来る気がした。


なんでだろう……勘…かな…?


杏奈のメールを見て絶対に返事をくれる予感があった。



♪〜♪♪〜♪〜

「うわっ、はっ、はい」


遥からの返事は予想に反してた。

だってメールじゃなくて電話って…。







『俺さー、今5階で元クラスの集まりきてるからこの部屋まで来れるー?』

「へっ…?」

『プッ…クククッ、へ?じゃねぇよ。杏奈もそっちで集まってんだろ?抜け出して来れるの?友達大丈夫かって意味』

「うっ…うん、大丈夫。行く…」

『んーっと部屋番号は…』















鼓動が鳴る…。

ドキドキどころかバクバク鳴る音が聞こえるよ。




部屋を出てエレベーターを上がってる間、ドキドキしてる胸を押さえてみた。

壊れるんじゃないかって位心臓が鳴って、このまま会ったら遥に聞こえちゃう…。




絶対絶対聞こえるよ。





「はぁー…もぅ……心臓静まれ!」

エレベーターを降りてから遥に言われた部屋の前に立った。

深呼吸をして通話ボタンを押そうと思うのに…。





緊張で指の先が震えてる。




壁に頭をつけたまま目をぎゅっとつぶって電話をかけた…。


携帯を耳につける事も忘れてただひたすら画面だけを見つめてると…。





タイミングよく開く扉。

ハッとして顔を上げたら、携帯を手にした笑顔の遥が立ってたんだ。



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