生涯の人… 〜Dearest〜
トイレを出たら壁にもたれ掛かる遥が見えた。

思わず足が止まっちゃう…。



遥…、カッコ良すぎるよ。

学生の時よりカッコ良くなった…?





遥の前通り過ぎた女の子、絶対見とれてたよ。

女の子特有の囁きで、


「あの人かっこいい。」



って聞こえたもん。








昔から告白される事も多かったよね。

だから今、杏奈と一緒でいいのかな…?って不安になる。


隣…、歩いてていいの?









ちょっとずつ歩きながら足元を見つめてた。

だから気付かなかったんだ…。目の前に来た黒い影に。



顔を上げたら眉間に皺を寄せた遥が居て、


「杏奈どうした?気分でも悪ぃの?」


って、両手で腕さすってる。


「あっ…うぅん、平気。遅くなってごめんね。」

「ん…。」



昔と変わらない癖で…杏奈の肩に触れないでよ。



外はまだ雨……傘の中にいると呼吸が苦しくなっちゃう。




「つかなんですぐ来なかったんだよぉー…。あんな所で立ち尽くして。俺すげえ寒かった。」

「あっ…そうだよね、ごめん。…ちょっと……っきゃっ!」


前から歩いてくる人を避けながら必死で遥に着いて行ったら、傘と傘がぶつかり合って髪にしぶきが飛んだ。



「おまっ…何やってんだよ。」



ガシっと肩を掴まれてよろけそうになった足元が崩れ落ちるのを防いだ。


あの頃より…少し広くなった胸の中。









遥の香りがする胸の中。







…何故だか、泣きたくなった。


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