君に、メリークリスマス










私たちは、大通りの隅っこにしゃがみこんで……



そこに、花を…手向けた。









嫌いになろうとしていた……クリスマス。


もうすぐ、夜が明けて…。



今年も、終わりを迎える。






「……本当は…好きだったんでしょう?クリスマス。」


「………。どうでしょう?」



マスター、意地悪な質問ですね。




「彼の前だからって…、本当素直じゃないですね。」



「……。いいんです。」




だって、君はもう……知っていたのでしょう?





クリスマスは…私たちが、一番近づく日。




大好きな君と…


過ごせる日。








嫌いになれるわけ…なかった、って……。










「……ありがとう、指輪…可愛かった。ツリーの絵も、サンタのブーツも、リースも…全部…素敵だった。」



君との…キスも。





「リョータは私を喜ばせる才能があるよ。」





手を合わせて……



空へと祈る。





「バカだね…、私を置いて…先に逝くか?」



いつもいつも…君は、私の先を行っていた。

その、力強い背中を…見せつけて。



手の…届かない所へ。















「………好きだ……、バカ…。」







どうか……、神様。



こんな寒い冬は、彼の手を…温めて下さい。




彼が寂しくないように、
笑っていられるように……。










「メリークリスマス。」























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