君に、メリークリスマス
興味があるだなんて、どうして…そう思えるのだろう。
彼は、お店の人で…
私は、ただの客で。
特別なことがあったわけでも…何でもない。
いつも、カウンター越し、
壁1枚を経てた…関係。
訪れたその時と…
帰る時。
少しだけ…
彼が、近くなる。
たった、それだけ…なのだ。
時折ぶつかる手と手。
いつも、温かい……彼の手。
変わらぬ安定感と……温もり。
生きている……実感。
「リョータ。アンタとは…違うね。」
私は、今日も…
街を歩いていく。
両手を、擦り合わせて…
下を向いて、
歩いていく。