シェリー ~イケない恋だと、わかっていても~
「匠哉たちには、ヒミツだよ?」


そんなわたしに、ともさんはそう言った。わたしは無意識に小さく頷いていた。


ともさんの言葉が、耳から離れない。


みんなの前で喋る感じと、耳元で言われた、ともさんの喋り方が微妙に違って。


「あとは、彩月だけだねぇ」
「えっ、ごめっ。聞いてなかった!なに?」
「んもうっ!!スキーの話でしょ!?」


わたしがボーッとしてる間に、スキーの話が進んでいたらしい。


梨江子はプクッと頬を膨らませながら、怒っていた。美人は、怒っても美人だ。


「今時期やってるとことなると、北海道らしいのよ。啓太さん、許してくれるかなって」
「あぁ、そっか……」


けいちゃん、わたしが男の人と旅行に行くって言ったらなんて言うんだろうな……。


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