私に恋愛は必要ない!!
蹴っちゃいました

きちゃったぁ...。ついにこの日がやってきました。そう、不良...じゃなくて柊と映画に行く日です。
ちょっとずつ歩いて駅に向かっていた。後少しで駅というところで顔をあげると時計台のところに一人、男の人が立っていた。
絶対あれだ...!うわっ、もう来てるよ!速く行かないと怒られる!
私は全力で走った。

「柊!ごめん!待った!?」

そして叫んだ。柊はすぐに気付いた。

「おう...。おせーぞキサキ」

あ、名前読んでくれた。なんか嬉しいな...。前よりなんか明るな。慣れてきたのかな?

「おい。早く行かねーと、遅れっぞ」

「あ、うん」

行こうとすると柊は思いがけないことを言った。

「なぁ。お前ダサいな」

「なっ...!」

ダ、ダサいだと!?そりゃあ、ファッション雑誌とか買ったことないし、てか立ち読みもしたこともないし!!
因みに私の服装は動きやすいジャージだ。いつも部活の時も来ているのだ。髪型はポニーテールにしている。だって遊びに行くときもそうしてたし!

「まぁ、いいけどよ」

いいんかい!じゃあ言うなよ!
そう思っていると柊はもう映画館に向かっていた。

「ちょっと!待って!!」

くっそ!私のジャージファッションをダサいと言いやがったくせに、自分は一人で映画館に向かいやがって。ふざけんな!
私は全力で走り、俺の背中に...飛び蹴りした。

ズリィィィ!!

柊は頭から地面に突っ込んでいった。

「ふざけないで!!ファッションとか気にしたないし!!ジャージ好きだからいいじゃんべつに!!てか、ざっくり言うな!!結構傷つく!!」

なんとなくイラってきたのでぶちまけた。しかも結構どうでもいいこと。やった後で自分が何をしたのか改めてわかった。
ヤバイ!!やってしまった!!
私は不良を蹴ったのだ。しかも十人相手に一人で喧嘩した奴だ。私は何をしてるんだ!

「ご、ごめん!!ついイラっとして...」

謝ると柊は睨んできた。

「っ...おい。ちょっとこい」

え?柊に腕を引っ張られて私は連れていかれた。その連れていかれた場所は今時の女の子が行きそうな服屋だった。
私は何をする気なのかわからないで戸惑っていると柊は店員さんを呼んだ。

「すいません。こいつの服選んでやってください」

え?今なんて言った?服選ぶ?はぁ!?なんで私選んでもらってんの!?状況把握できねー!
そう思っているうちに店員さんはあれやこれやと服を探している。そんな張り切らないで下さい。
待つこと一時間ぐらいで私の服が決まった。ジャージからのフリルの白いワンピースになっていた。髪はほどかれストレートになっていた。こんな格好したの初めてだった。

「あの、ありがとうございました!」

店員さんにお礼を言って柊の所に向かった。柊は会計をすませていた。

「柊!ありがとう!嬉しいよ!」

私は柊にそう言った。

「おう。結構良くなったじゃん」

「そ、そうかな?」

服装なんて考えたこともなかったから服装で褒められたのは初めてだ。
浮かれていて思い出したが私はまだちゃんと謝っていないのだ。謝るなら今しかない。

「あのさ、さっきはごめんね。蹴って…」

「あぁ、いいよ。いつものことだし。慣れてる」

いつものことなの!?どんだけ敵に回してる奴多いんだよ。

「なぁ、もうどうせ映画いけねぇからどっか行こうぜ。行けなくてごめんな...」

「あ、うん」

私達は近くの喫茶店に入った。あ、そういえばあれきかなくちゃ。

「柊。あのね?もしかして最近学校で女の子とぶつかった?」

「あぁ、そういやぁぶつかったな。顔見てねーけど」

やっぱり。あれは柊だったんだ。柊は私だと気づいてないみたいだった。まぁいいか。

「何?誰か知ってんの?」

ドキッ

「し、知らないよ!なんかそういう話が流れてきて...」

「あ、そう」

よかったぁ。ばれてもいいけどいわないでおこう。

「あのさ、俺ら前どっかで会ったことあるか?前っていうのはちっちゃい時とか」

思ってもいないことをきかれた。最近ではなくちっちゃい時と言われれば驚くのは当たり前だろう。

「ないと思うけど?なんで?」

「いや、ちょっとな」

なんか隠してるのかも。だけどきかないでおこう。なんかあるのだろ。
最終的に喫茶店に行った後ゲームセンターに行って遊んだ。因みにゲームは全敗で終わりました。悔しかったです。





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