記憶の本〈母の中の私〉
お母さんの秘密。
娘の私が言うのもなんだか、お母さんは可愛らしい人だ。

そしていつもニコニコ笑っている。

お父さんと喧嘩しているところを見たこともなければ、泣いているところを見たこともない。

でもドラマなんかを一緒に見ていると、私と泣くツボは同じらしく、私が泣きそうになると隣で先に泣かれてしまう。

隣で大泣きされるので、私はしらけてしまうのだが、そんな時必ずお父さんは、ティッシュを箱ごとお母さんに渡す。
ゴミ箱も一緒に・・・。

お父さんとお母さんは私の理想の夫婦だ。

いつもニコニコ笑って家事をし、一番居心地のいい場所、家を作ってくれるお母さん。

口数は少ないが、他のどんな事より家族の事を一番に考えてくれるお父さん。

特にお父さんは、お母さんの事が大好きなんだって事が私達にまで伝わってきて、私の方が照れてしまうぐらいだ。

お母さんのニコニコ顔は、家族皆の栄養ドリンクみないなものだと私は思う。

嫌な事や辛い事があった時、お母さんに話を聞いてもらうと決まって、

「大丈夫!由美はお母さんの娘なんだから!」と、

この言葉を聞くと不思議と、大丈夫って気になってしまう。

これはきっと私だけじゃなく、お父さんも亮太も同じじゃないかと思える。
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