Polaris
~ 省吾 ~


「自分の価値を知りたいだけ。アヒルの子はアヒルって言うでしょ」


そう、口にした女の目は、何も映さなくなった。


俺はそんな彼女に、なんと声を掛ければ良いかわからなかった。


さっきまで、俺に食って掛かってきた女。


初めて店で会った時は、ニコニコ笑ってて、気遣いだって出来てて、男が理想とする完璧な女なんじゃないかと思った。


だから俺は、そんな女の化けの皮を剥がしてやりたいと思った。


どんな完璧な女だって、下心があるから完璧を演じられると思っていたから。


だけど、俺はこの女を傷つけてしまったのかもしれない。


そう思ったら、なぜかイケないことしてしまったような気持ちになる。

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