Polaris
みんな出て行ったのに、何故かハナちゃんだけはまだ部屋に残っている。


「おはよう」


あたしはハナちゃんに挨拶する。


いつもなら元気に返事を返すのに今日は何も返ってこない。


自分のロッカーに荷物を入れ、横目でハナちゃんを見る。


片方の頬が赤く腫れている。


女の子たちと揉めたのだろう。


「大丈夫?」


あたしはハンカチを渡す。


そのハンカチを受け取ると、今まで溜まっていた涙が零れる。


「あんまり泣くと、お店に出れないよ?」


頭を優しく撫でる。


声が出せないのか、何回も頷く。


少しして、目を腫らしたハナちゃんが顔を上げた。


泣いたせいで、メイクが崩れて大変なことになってる。

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