bitter・princess ー短編ー
Final love
あたしは、顔を上げずに、更にきつく春馬を抱き締めた。

「…はっ…速音……いっ、言ってる意味…わかって…」


「わかってるよ!わかって言ってるの!!
最初で最後でいい。
……あたしを抱いて?」

春馬の胸に顔を埋めると、ドクン、ドクンと

心臓の音がした。



「……」

春馬は、黙ってあたしの鎖骨に口付けをした。


「っ――…ァ」


今まで感じたことない感覚。



脳天を打ちぬかれる

そんな感じ。


ぎこちない愛撫の後

大地とは違い

優しく触れる華奢な手。


「――…ひァッ」



初めての、快感。


今までとは違う

優しい熱。




好きな人とひとつになるって


こんなにも、嬉しくて

心地いいものだったんだ…。



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