可愛い彼にはご注意を!
「そのままでいてもいいけど、動きづらいからね。」
「ありがとうございます、蓮。」
小さな気遣いが嬉しくて蓮に感謝した。
「お礼を言われることじゃないよ。
それに奥さんを気遣うのは当然でしょ?」
クスッと笑って首を傾げる蓮。
ドキッと胸が高鳴ってしまう。
どうして、蓮はこんなにも率直で甘いの?
恥ずかしがっている自分が馬鹿に思えてしまう。
身を小さくしているとしばらくして車が止まった。
「気をつけて降りて・・・。」
蓮に手を引かれて車から降りる。
ちょっとした動作が優雅に見えてしまうのは蓮の育ちの良さなのだろう。
やっぱり自分とは釣り合っていないよ。
分かっていたけど、こういうのを見てしまうとそう思えてならない。
「どうかした?柚亜?」
心配そうに顔を覗き込む蓮に心配させないように笑う。
「何でも、無いです。
ありがとうございます。」
手を少しだけ強く握って店内に入る。
「わぁ・・・・・・!」
中に入るとまるで世界が宝石でできているかのような空間だった。