冷たい雪に甘いキスを…

まーくんは、なにを思ったのか急に自分のマフラーを外す。

そして、黙ったままあたしに巻いた。


「え…」

「持っとけ。忘れたんだろ、マフラー。」

それだけ言い残して、まーくんは人混みの中に消えていった。


あたしはまだまーくんの暖かさの残る首もとのマフラーをキュッと握りしめる。
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