いとしい棘


顔合わせも含めた稽古初日。

総勢30名のキャストに演出や振付のスタッフさんが揃う。


私はもちろん、みんなそれぞれ緊張した空気を纏っていた。


「それでは…まずは本読みをしていきましょう。」

長テーブルの端に座っていた千絵さんが台本を手に説明を始めた。



千絵さんは、この劇団の主宰の一人であり制作業務を仕切っている人だ。

私の知り合いは千絵さんとの繋がりでこの劇団を紹介してくれた。

そのこともあってか、何かとよく気にかけてくれるお姉さんのような存在だった。



.
< 6 / 14 >

この作品をシェア

pagetop