その結婚、取扱い注意!

意外な誘い

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翌日、湊はお正月でも開いている産婦人科の病院を探し連れて行ってくれた。

隣町の病院で検査を待つ間、待合室にいる私は落ち着かない。

隣に座っている湊も同じようで、妊娠の小冊子などを手にして読んだりしている。




「え……? 妊娠していないんですか?」

湊が目の前にいる女医に聞き返している。

妊娠していない……?

お腹の赤ちゃんを慈しむように、下腹部に手を置いていた私は茫然となった。

「はい。妊娠していません」

40才代と思われる女医はきっぱり言う。

私は湊から視線を女医に動かす。

「でも、つわりのような状態が続いたんです」

なにかの間違えであってほしい。これほど赤ちゃんを楽しみにしていて出来ていなかったなんて……。

「胃が荒れているようですね。生理が遅れているのは精神的なものでしょう」

女医はカルテを見ながら渋い顔になる。

茶色い縁のメガネの端を少し持ち上げてから私を見た。

「そのせいで胃に不快感があったと思われます。処方箋を出しますので、お近くの薬局でもらってください」

女医は私たちの方から机に向き直った。

これで診察は終わったようだ。

「ありがとうございます」

私たちは軽く頭を下げて、診察室を出た。診察室を出る私の足取りは重い。


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