シニガミチェーンメール



授業が終わって、



綾介が久琉斗と帰ろうとした。



しかし、



久琉斗は何かを思い詰めた顔で



さっさと教室を出て行く。



綾介は急いで久琉斗に近寄り、



声をかけた。



__尋常じゃない。



「久琉斗…久琉斗?どうした?」



久琉斗は黙ってさっさと歩くだけで、



綾介の声が



聞こえてる素ぶりも見せない。



綾介はなにか、



嫌な予感が頭を過ぎった。



「久琉斗って!おい…」



「なんだようるせえなぁ!!!」


それは、



綾介の聞いたことのない、



声と言葉。



久琉斗がそう叫んだあと、



ハッと我に返ったかのように、



息を呑んだ。



「っ…ご、ごめ…
ちょっと考えごとしてたんだよ」



「…いや、良いけど…大丈夫か?」



綾介がそう言って



久琉斗の顔を覗き込んだのも、



無理はない。



久琉斗の顔色が、



死人のように青白かったからだ。



「あ、あぁ…大丈夫だよ…
…綾介は、気にすんな」



そのあとすぐに、



思い詰めたような、



厳しい顔になった。



声をかけるのも躊躇われて、



結局、駅で別れるまで



ずっと無言だった。



あとで綾介は、



この時のことを



深く、悔いることとなる__



『綾介は、気にすんな』



やけにその言葉が、



綾介の心に重くのしかかっていた。



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