LOVE School Life Ⅰ【完結】
「……い、いいい、いえ、大丈夫です、麗さん」

「遠慮すんなよ、愛」


私が遠まわしに言うも、それをプラスに捉えてしまう麗さんが心底恨めしい。あ、違った羨ましい。


「行こうか、愛」

「……はい」

テンションだだ落ちの私にお姉さんは気付くことなく、ご機嫌に扉を開けた。
そこに正座しているのは秋人。

何故、正座している。


「姉貴っ」

「……何?」

正座する秋人を見下ろす麗さん。
なんか、後ろから見てると女王様と下僕なんですが。


「愛ちゃん、俺達が送るから今日は返して!」

「はあ?愛が私と帰りたいって言ってんだよ」

…言ってません。


「でも、それでも、愛ちゃん、今日転校初日だから!
だから、明日以降ならいいから」

「…ちっ。しゃあねえな」

ああ、もう会話文だけ見るとどっちが女だかわからない。
わかっていると思うけど、口が悪い方がお姉さんです。
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