LOVE School Life Ⅰ【完結】
「何で?」

秋人はそう言いながら、あたかも乗るのが普通かの如くメットを私に渡す。


「…死にたくない」

「は?」

「事故って死にたくない」

「………」

秋人は目をまん丸にした後、腹を抱えて大爆笑をし始めた。
いや、秋人。
何も面白くない。
私は至って大真面目だ。


「いやー愛ちゃん、俺中学生の頃から姉貴に無理矢理乗せられてたから大丈夫だよ」

「余計心配です」

「まーいいから、乗ってみてよ」

「…無理です」

「……そんな信用ない?」

秋人が眉を下げて、少し寂しそうに言う。
だが、私はコクンと頷いた。

てかね、出会って初日で信用しろってどんなもんよ?
そんなん全て信用してたら、壺とか絵画とか、買わされまくりでしょ。私。


「…愛ちゃんは、本当…」

ぼそっと呟くと、秋人はバイクを降りるとハンドルを握る。


「じゃー俺、押すから歩いて行こう」

「……わかった」

「愛ちゃんって、前の学校で男子に恐れられてたでしょ」

「はあっ!?全然ないし」

てか、前の学校でこんなに怒ったりした事ないし。
あんた達が常識外な事するからだ。
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