極上エリートの甘美な溺愛

玲華のことをからかわれる状況を楽しんでいるようだ。

「将平ね、今日玲華ちゃんと会うのをすごく楽しみにしていたんだよね。昨日も長い会議で疲れてるはずなのにうきうき弾んで鼻歌でも聞こえてきそうだった。よっぽど今日のことが待ち遠しいんだなあって思って見守ってたんだよ」

思い出すような千春の声に、慎も同意するように頷き、すっと体を玲華に寄せると、小さな声で囁いた。

「二次会の幹事なんて、俺ら何回も経験してるんだ。いつもならビンゴの景品はネットでさくさくっと注文して用意するのに、今回に限っては玲華ちゃんと買いに行くって言うし。
まあ、会えるきっかけというかネタというか。チャンスだって思ったんだろうな。それに、あいつ、自分からわざわざ女の子と過ごす時間を作るなんてこと滅多にないんだ。いつも優しい笑顔でうまく拒むのに、玲華ちゃんとは一緒にいたくてたまらないんだよ」

「そうそう。私と慎が手伝うから玲華ちゃんの手を煩わせることないって言っても『玲華と行くから余計なことするな』なんて言って不機嫌になるし。ホント、将平ってわかりやすい」

「そ、そうなんですか……」

にやりと笑っている慎と千春。

将平の様子を伺いながら、肩を震わせている二人は、玲華を気遣いながらも笑いが止まらないようだ。

将平が今日玲華と一緒に景品の買い出しに来たことを面白おかしく話しながらも、それを喜んでいるようにも聞こえる。

今日、こうして買い出しにくるまでもなく、ネットで完結させることができるはずだったということに玲華は驚きながらも、自分と会うためにそうすることもなくこうしてわざわざ二人で買い出しにきた。



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