極上エリートの甘美な溺愛


気分転換を兼ねて展示場に行くのもいいかもしれない。

まだ契約まではいっていないが、二世帯住宅を考えているお客様を展示場に案内すると聞いている。

玲華は気持ちを切り替えるように笑顔を作る。

「あー、でも、この図面、もう少しで仕上がると思うので、展示場に行くのは少し待ってもらえますか?」

玲華は再びマウスを手にし、悩みは後回し後回し、と呪文のように唱えながら図面に目を向けた。

「じゃ、昼休み挟んで、午後いちで行くからそのつもりで」

既に気持ちを切り替えて図面を描き始めた玲華の背中にそう言って、篠田は肩をすくめた。

そして、図面以外に気持ちを向けていないその姿に呆れながらも、これまで何度も見てきたその様子に安心し、ほっと息を吐いた。


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