メガネの天使
「それじゃメイクに入るわね 仕上がった時のお楽しみ♪」

加賀美さんはそう言って座席をくるりと回すと鏡に背を向けた状態でメークを開始した

「う~ん ファンデ要らないくらい肌は綺麗だから少量のBBクリームで整えて…
パール系のプレストパウダーとピーチ系のチーク 眉は少し整えてパウダーのアイブローを使って
遊びで目尻の方にだけ付けまつ毛するね」

ほとんどメイク経験のない私は不安でいっぱいな表情だったのだろう

「大丈夫…化け物みたいな濃いメイクなんてしないから心配しないの!」

常に声を掛けて安心させてくれる

「うん♡カワイイ
自分の腕に惚れ惚れしちゃう♡もちろん素材が良いから尚更ね!
あっ!お友達もご到着みたいよ それじゃあ ご披露しましょうか?」

「ウソーーー!」

鏡に映っていたのは自分とは思えない…とてもカワイイ女の子だった

「「「きゃあぁぁぁーーー」」」

サロンに入るなり3人が奇声を上げる

「3人とも落ち着いて、お店に迷惑掛かるから静かにしてよ…」

オドオドする私をしり目に3人はマイペースにそれぞれに感想を口にする

「加賀美さん凄ーい 可愛くなるとは思ってたけど…
これが驚かずにいられようか‼」

優花…私が一番驚いたよーーー

「お母さんは泣かずにいられないよ‼」

智美…あんた いつから私の母になった?

「・・・・・・」

佳乃は驚きの声を上げた後は声を出さずに涙を流していた…

「これ3人から音にプレゼント」

優花が代表して渡してくれた大きな紙袋の中身は今まで着たことも無い

パステルカラーの優しい色合いをしたレモンイエローのワンピースと

白無地に花の刺繍が襟と袖口に施されたカーディガンが入っていた

加賀美さんの好意でstaffroomを貸してもらい早速着替えを済ませて出てくると

皆が温かく迎えてくれる




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