sweet memory ~奏大side~



「聞いちゃいけないような気がして、聞いたことがなかった」

「まぁ、そんな対したことじゃない。アイツが継がないって決めたのには大きく分けて2つある」

「何?」

「まず、1つ目は俺と花菜」

「どういうこと??」








奏大は創の秘密を話し始めた。
それを聞いた花菜は戸惑いを隠せないでいた。








「嘘…私のため?」

「あぁ…。でも、気にすることはない。選んだのはアイツ自身だ。」

「でも…」

「それから2つ目は、あかねのため」

「あかねちゃん?」

「創が雨宮を継ぐとなると、あかねが雨宮家に嫁がなければいけなくなる。それを創は嫌がっていた。自分が長男であるからには、継がなければいけないところを次男に譲る。相当、周りから色々言われたみたいだな」

「そんな…」 

「まぁ、当時付き合ってもいなかった女のために、自分が婿に入れるように選択したんだから、ヤツは凄いよ」

「創くん…」

「ほら、そんな顔をしてたら、2人が心配するぞ?」

「……そうだね、笑顔でおめでとうって言ってあげないとね」

「あぁ…」








奏大に笑顔を見せた花菜は、創とあかねに向かって、「おめでとう」と叫んだ。





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