建造物の間の、奥まった細い路地

 そこに人のようなものが
 まるで棄てられたかのように座り込んでいるのがわかる


 いつもなら素通りしただけだったろうけど
 コツコツとヒールを鳴らしながら近づきに行ったのは
 今となっては必然のように思える

 薄暗い空のもとでもわかる、質感のよさそうな短い金髪
 小柄そうだが、身なりからしてたぶん男だろう
 
 うつむいていてよく見えないけれど
 それでも綺麗な鼻筋のラインから、
 整った顔立ちであることがうかがえる


 この人の目を開けたところを見てみたい…


 最初はそんな好奇心だった








< 2 / 23 >

この作品をシェア

pagetop