レンタル彼氏【完全版】
それから私は、自転車を漕ぐ気にもなれなくて、家路まで自転車を押して歩いた。


いつの間にか、時間は午後四時を差していて、そんなに時間経ったんだとぼんやりと思っていた。



私は伊織の本性を知ってるからって、勝手に伊織が私に好意があると思っていた。
随分と思い上がった結果がこれだ。


勘違いも甚だしい。



たった。



たった四日だった。




出会って三日で恋をして、四日で初体験を捧げて振られた。

何もかもが呆気なさすぎて、笑える。



そう。
本当に笑えたらいいのに。


私って、なんて単純で単細胞なんだって。
大声で馬鹿笑い出来たらいいのに。



涙ばかり出てきて。



これじゃ、川田先輩の時と同じ…いや、それより酷いかも。

溢れ続ける涙を拭えなかったのは、自転車を押してて両手が塞がってるせいでも、下半身にある違和感のせいでもない。




自分が惨めで滑稽だからだ。
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