レンタル彼氏【完全版】
「こんばんは」


「おお、佐々木。今何時」


「……九時です」


「そうか」


「あの、説明少ししたいのでいいですか?」


「ああ」


扉を開けてやると、佐々木は部屋に上がった。


俺が部屋に備えつけられていた黒の革張りのソファに座る。
佐々木はソファには座らず、床にそのまま座った。

それから説明を始めた。


「…明日から仕事をしてもらいます」


「明日?!」


まさか、明日かよ。
そんな急なのかよ。


「もう、予約が結構ありまして…」


「……まじかよ、二千万だぞ?」


「はい、だけど、伊織さんは三ヶ月待ちです」


「………………」


三ヶ月、も予約が入ってんの?
て、ことは。

三ヶ月、俺は身動き取れないわけだ。


「…毎月、25日に僕が直接この部屋まで給料を届けます、これは伊織さん専用の番号なので忘れないでください。
後、口外はしないでください」


そう言って一枚の紙を渡した。


「……ああ」


「では、何かあったら一緒に書いた僕の番号までかけてください」


「……わかった」


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