Sweet Room~貴方との時間~【完結】
この仕事が長期になる可能性があると思ったのか、涼太はむっつりとした。私はわざと「顔が潰れてるよ」と頬を人差指で突っつきながら言った。
「なんだよ、潰れてるって」
「だって、眉間に皺を寄せて、目を細めて、口は真一文字。全体的にペターッとしてたから」
「うるさいよ」
涼太は仕返しとばかりに私の鼻を摘まんだ。
「お前の顔だって潰れてるぞ」と言いながら、マグカップを持ってキッチンへ行ってしまった。
目の前に流れる、何が面白いのかもよくわからないお笑い芸人の漫才をぼんやり眺める。嘘くさい笑い声が響き、最後は拍手で終わる。1組の漫才が終わってもまだ、涼太が戻ってこない。
気になってキッチンへ行くと、シンクの淵に両手をついていた。その後姿から少し寂しさを感じる。
「涼太、どうかした」
「なんで? どうもしないよ」
振り向いた涼太は少し驚いた顔をして、いつもの笑顔になった。
「そう。時間掛かってるみたいだから」
「そうかな? コーヒー入れ替えたから行こう」
ソファに座った涼太は空元気のように、お笑い番組を見ながら笑っていた。
「なんだよ、潰れてるって」
「だって、眉間に皺を寄せて、目を細めて、口は真一文字。全体的にペターッとしてたから」
「うるさいよ」
涼太は仕返しとばかりに私の鼻を摘まんだ。
「お前の顔だって潰れてるぞ」と言いながら、マグカップを持ってキッチンへ行ってしまった。
目の前に流れる、何が面白いのかもよくわからないお笑い芸人の漫才をぼんやり眺める。嘘くさい笑い声が響き、最後は拍手で終わる。1組の漫才が終わってもまだ、涼太が戻ってこない。
気になってキッチンへ行くと、シンクの淵に両手をついていた。その後姿から少し寂しさを感じる。
「涼太、どうかした」
「なんで? どうもしないよ」
振り向いた涼太は少し驚いた顔をして、いつもの笑顔になった。
「そう。時間掛かってるみたいだから」
「そうかな? コーヒー入れ替えたから行こう」
ソファに座った涼太は空元気のように、お笑い番組を見ながら笑っていた。