Your smile once again
か細い声だった。聞き取れないほど。


突然、佐々木は俺の腰に腕を回してきた。


行かないで、と言うようにキュッと俺のシャツを掴む佐々木。


「お願いだから、


私から離れないで……。


どこにも行かないで……!!


一人にしないで……。


もう、一人は嫌なの……!!」


こんな弱気な佐々木を、俺は始めて見た。


「怖いよ……」


佐々木の体が小刻みに震えている。

「行かないよ。

俺はここにいる。


前にも言ったろ。側にいるよ」


「私は……笹原が居なかったらこの事誰にも話さなかったよ」



だから、と前置きして、


「ありがとう」


そう言った。
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