Your smile once again

体育祭 午後の部

午後の競技が始まった。
一年から三年の男子が参加する、棒倒し。
女子種目の騎馬戦。
三年生全員リレー。
盛り上がる種目がまとまっている。
その分、とくに棒倒しなんかは、ひっかき傷やら転倒やら、けが人が多い。
忙しくなりそうだ。

「すいません」
呼びかけられて、振り向いた。
ハチマキを巻いた男の子が立っていた。一年生かな。

「消毒してもらえますか」
「はーい」

私は返事をする。

「膝を擦りむいちゃって」

その言葉に膝に目を落とす。

-----ドクン。

思わす、目をそらした。
傷口からは、血が滴り落ちていた。

……私、血が苦手なんだった……。

「あ、洗ってきてください」

彼は水道へ向かった。

「……っ」

その場にしゃがみ込んだ。
克服したくて、保健委員に入ったのに。やっぱりダメだ。


怖い。
あの時のことが、映画のようにフラッシュバックする。


目に染みる、赤。


来ないで……。


嫌だ……。


言いようのない恐怖感に襲われて、体がガタガタと震え始める。
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