【続】恋愛のやり直し方
「男は熱を帯び始めた身体を見下ろしながら、ベットサイドにあったウィスキーの入ったグラスへと手を伸ばした。
ゴクリと一気に飲み干し、手頃な氷をひとつ口に含むと、ニヤリと思わせぶりに笑った。
そして、氷に体温を奪われ始めたその唇をほんのり赤く染まり始めた女の身体へと這わせた。
その瞬間、突然の刺激に女の身体は弓がしなる様にのけ反った………
クスツ。綾さん随分エロいことされてるんですね」
「なっ!何が?」
5月の土曜日。
昼間近のこの時間、外は燦々と降り注ぐ陽の光が眩しい程。
そんな爽やかな時間に、目の前の竜くんが発する不釣り合いな言葉の数々。
それは、つい先ほど上がった原稿。
友田の人気も衰えることなく、今だ右肩上がり。
いくつかの文芸雑誌にも連載を持つようになり、こうして竜くんが原稿を取りに来ることも増えた。