縛鎖−bakusa−

 


あの後、亮介君の元に母親を連れて行った。



「亮介君、お母さん連れて来たよ。

ルビーの指輪もちゃんと返したからね」



大きく頷く亮介君は、母親に抱き着き満面の笑顔を見せる。



触れると霊障が…なんて言う必要はないだろう。



彼の鎖は怨念ではない。

純粋さと正直さで縛られた鎖とでも言うべきか…

他の霊体は危険だが無垢な魂にはきっと触れても大丈夫。



私の通訳を介して親子は12年振りに会話する。



『母さんごめんなさい…
僕嘘ついてた…本当にごめんなさい』



「母さんこそごめんね…

今までここに来られなくてごめんね…

12年も気付いてあげられなくてごめんね…

辛かったね…良く頑張ったね…」



『怒ってないの?』



「怒ってないよ。

指輪を返そうとしてくれた、亮介の優しい気持ちが嬉しいよ」



『良かったー!あっ!鎖が外れた!

母さん見て、外れたよ?
僕やっとトンネルから出られるよ!』




カチャリと音を立て、亮介君の足首の鎖は壊れて外れた。



外れた鎖は薄くなり、やがて消滅したかの様に見えなくなる。



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