過保護な妖執事と同居しています!


 テーブルの上に酒と肴とグラスを置いて、斜め前にある座布団に座る。そしてグラスによく冷えた日本酒を注いでくれた。互いにグラスを掲げて縁をあわせる。


「お疲れ」
「お疲れさまです」


 ひとくちお酒を飲んで、キュウリをつまむ。ほどよい酸味と塩味に、カリカリとした歯触りがいい。


「やっぱりキュウリのぬか漬けおいしいよ。私は好きだなぁ。ザクロも食べてみて」
「はい」


 ザクロは私が薦めるとなんでも食べる。好き嫌いはないようだ。まぁ、元々食べなくてもいいから、なのかもしれないけど。
 コリコリとキュウリを咀嚼して、ザクロは感想を述べる。


「青い胡瓜は苦みがほとんどないんですね。漬け物にすると青臭さも減って確かにおいしいです」
「でしょ?」


 買い物の時、キュウリをカートに入れるたびに微妙な表情をしていたザクロの誤解が解けてなによりだ。

 私はおそらく変わり者だと思われていたのだろう。誤解の解けたザクロは、もう一切れキュウリをつまんだ。案外気に入ったのかな? 日本酒の肴にも合うんだよね。
 それからしばらくは、キュウリを肴に日本酒を飲みつつ、ザクロの見たテレビの話を聞いたり、坂井くんの勘違いの原因を話したりした。


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