過保護な妖執事と同居しています!


 本郷さんに謝罪をすませて、私はザクロと一緒に家路をたどった。今日は買い物に行くので、ザクロにはこのまま姿を見せておいてもらう。買い物荷物を持ってもらわなきゃ。

 みんなに姿が見えるようにすると、生気を多く必要とすると聞いたが、私の体調には別に異変はない。この間も疲れたりとかしてないし。
 心配性のザクロが、気を遣いすぎてるのかもしれない。

 姿を見せているザクロは色々と慣れないことをしなければならない。電車に乗るのも大仕事なのだ。

 自動改札がどうも苦手らしい。切符が吸い込まれていくのを見てビクビクしている姿がなんだかかわいい。

 電車を降りて近所のスーパーに着くと、いつもは私が押すカートをザクロが転がしてくれた。一緒に色々と食材や日用品をカートに入れて、レジへ向かう。
 するとレジの向こうから声をかけられた。


「頼子」
「え、清司?」


 サッカー台の前で清司が手を振っていた。
 私は支払いを済ませてサッカー台へ向かう。後ろから買い物かごを持ったザクロがついてきた。


「どうしたの? また親戚の手伝い?」
「うん、まぁ、そんなとこ」


 そう言う割に、今日は着物を着ていない。ジーンズとトレーナーの上にダウンジャケットを羽織っている。
 清司が後ろにいるザクロに目を移した。ザクロは私の横に移動して軽く会釈する。


「お久しぶりです」
「あぁ。こんばんは」


 普通に挨拶したあと、清司は大きくため息をつきながら片手で顔を覆った。


「ったく。ちょっと見ない間にずいぶん人間くさくなっちまってるじゃねーか」
「あはっ」


 私は苦笑に顔をひきつらせる。
 やっぱ、依存しまくってるのがバレバレかしら?


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