可愛くないって言わないで!!


「なんだ、いるんじゃん。寝てるの?」



部屋に入って、顔を見ようかとベッドに近づいた時、



「出てってよ!」




タオルにくるまったまま、真子が叫んだ。


びっくりして足が止まる。



「真子? どうしたの」


「いいから出てって! 放っておいてよ!」


「え。ちょっと、そんなにお腹痛いの?病院行った?」


「お腹なんて痛くない! 仮病だよ!」



え……仮病?



真子が?


前の学校じゃ、皆勤で学校行ってた真子が?




「なんかあったの……?」



バサリとタオルケットが床に落ちる。


真子が、ベッドの上に座って真っ赤に腫れた目であたしを睨んだ。



なに、その顔。


地味な顔が超ぶさいくになってる。



泣いたの?


どうして?
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