可愛くないって言わないで!!


「沙弥と俺は幼なじみってやつ。家近いし、赤ん坊の頃から一緒にいたんだよ」



学校からの帰り道。


急な坂からは海が見える。


暑いし海があるなら海水浴したいけど、この辺て海きれいなのかな。

昔家族で行った海水浴場はゴミだらけで汚かった。



「だから俺、美形には見慣れてんだよな。学校の奴らもわりとそう。沙弥で耐性できてっから、男子全員がお前を好きになるなんてあほなことにはなんねーよ」



カモメがクワァと頭上を飛んでいく。


カモメって意外と大きいんだ。



あー、シャワー浴びたい。

汗と潮風かなにかでべたべたする。



「沙弥に惚れてる奴も多いし。ま、あいつには宗介がいるから、あきらめてお前に走る奴もちょっとはいるかもしんねーけど」



もう、ほんと最悪。


なにが最悪って、



「なんでついてくるわけ!?」

< 28 / 289 >

この作品をシェア

pagetop