可愛くないって言わないで!!
「沙弥と俺は幼なじみってやつ。家近いし、赤ん坊の頃から一緒にいたんだよ」
学校からの帰り道。
急な坂からは海が見える。
暑いし海があるなら海水浴したいけど、この辺て海きれいなのかな。
昔家族で行った海水浴場はゴミだらけで汚かった。
「だから俺、美形には見慣れてんだよな。学校の奴らもわりとそう。沙弥で耐性できてっから、男子全員がお前を好きになるなんてあほなことにはなんねーよ」
カモメがクワァと頭上を飛んでいく。
カモメって意外と大きいんだ。
あー、シャワー浴びたい。
汗と潮風かなにかでべたべたする。
「沙弥に惚れてる奴も多いし。ま、あいつには宗介がいるから、あきらめてお前に走る奴もちょっとはいるかもしんねーけど」
もう、ほんと最悪。
なにが最悪って、
「なんでついてくるわけ!?」