ラベンダーと星空の約束
 


航空券予約のページを閉じ、明日25日のクリスマスイベントを検索した。



今年はクリスマスが日曜日という事もあり、既にチケット完売のイベントが多かったが、

運良く瑞希が好きなジャズアーティストのクリスマスコンサートチケットがまだ売られていた。



これなら瑞希も楽しめるだろう。
開演時間も15時からで調度良い。



大樹が柏寮に着くのは早くても14時以降だが、
念のため、少し早目の13:30頃出発して貰おう。



瑞希に手早くメールを打つと、
すぐに了承の返事が送られてきた。



瑞希の協力に感謝しつつ、
ジャズコンサートチケットをネットで2枚購入し自室へ戻った。



ベットを見ると、出て行く時と同じ格好で、紫は深く眠っていた。



彼女のスマホの通話履歴から、
さっきの大樹との通話分だけ削除した。



彼女のスマホにある物を付けてから、机の上に置いた。



寝支度を済ませ紫の隣に横になると、彼女は眠りながら擦り寄ってきて、俺の肩に額を押し当ててくる。



胸が熱くなり、裸の体に腕を回して抱きしめた。




紫…

俺が大樹を説得するから…

君の願いはきっと叶うから…



だから君は笑っていて。
あの夏の様な最高の笑顔で笑っていて…







――――― この時俺は
一つの思い違いをしていた。


大樹は“新千歳空港”を利用すると思い込んでいたが…


フラノから一番近い空港は…
“旭川空港”だった。



“旭川空港発羽田行き”の始発は9:55。



運悪く明日のこの便に空席が一つだけあった。



俺の予想より、大樹は1時間早く到着してしまう……




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