ラベンダーと星空の約束
 


部屋の中は生活できる環境に整え終わり、特に今急ぎでやらなければならない事はない。



今日の夕食何にしようか…
疲れたからお茶漬けでいいや…

ぼんやり考えていると部屋のドアがノックされた。



開けてみると、瑞希君がニッコリ笑って立っている。


今日の服装は紺色ワンピースに白いエプロンの、クラシックなメイド服。


入寮初日は制服コスプレだったけど、今日はメイドコスプレなのか。




「お嬢様、お迎えに上がりました!」



「えーと… 何のお迎えでしょうか?」



「紫ちゃんの入寮歓迎会だよ!
食べ物もどっさり買い込んできたから、一緒に来て!」



「じゃあ、制服着替えてから…」



「その紺ブレ、紫ちゃんに超似合ってて可愛いから、そのままでいいよ。

と言うより、それでいて?僕、制服フェチだから!」



「え…きゃあっ!」





瑞希君はいきなり私をお姫様抱っこで抱え上げると、廊下を走り階段を駆け降りて行く。



彼は私より5cmほど身長が高いだけ。男子にしたら小柄な体型。

腕だって女の子みたいに細いのに、

その華奢な体のどこにこんな力があったのか…



しっかりと私を抱えているけど、落とされるのではないかと怖くなり、彼の首にしがみついてしまった。




< 63 / 825 >

この作品をシェア

pagetop