デビル双子にいじられてます。
「………んで、演劇はまぁどーでもいーけどよ、クラスは何やんだよ」
あたしよりも少し離れた席にいる楓弥がきこきこ椅子を揺らしながら言った。うん、どうでもよくないから!重要だから!
「んー………クラスの方は皆が意見出してくれたやつにしよーかなって思ってる」
「は~いはいはい」
のろのろ手を上げたのは楓弥の兄、色気むんむん野郎。
「俺喫茶店がいー」
「ほうほう」
委員長が興味深そうにずいっと体を押し出す。
「これまたベタな出し物ですね神崎くん」
「だって喫茶店って何か絶対漫画とかであるっしょ~?楽しそーじゃん。喫茶店でいい人てぇあげて~」
はーいとまた桃真がのろのろ手を上にあげると、女子達は「ハイハイハイハイハイ!!」と半ば肉食的に手を挙げ、男子たちもまぁいっか、みたいな感じで徐々に手を挙げている。
「……じゃ、クラスの出し物は喫茶店でいっか!」
委員長がわーっと拍手して、HRは終了。
………ものっすごい早く決まっちゃったよ。
奴らの行動力に驚きながら、委員長に合わせてあたしも拍手した。