彼とワタシの秘密事♡
そんな事を考えていた俺は、周りの視線に全く気付いていなかった。

「…い」

「おい…」

「おいっ!」

「は?」

声のする方を振り返ると、一人の男が、俺の後ろに立っていた。

「おまえ…」

「俺がなんだ?」

誰だよ、こいつ…

ずっとしかめっ面だった男の顔が、急に明るくなる。

「おまえ、カッコイーな!!」

「…は?」

「俺、お前ほどカッコイい男なんて見たことないぞ!?」

…なんだ?こいつ…

俺は、さっきから延々と喋り続けている男を見る。

「あっ!俺の名前が知りたいのか!!」

…は? コイツなに勘違いしてんだよ…

「俺のなまえは、佐野日向!高校一年生だ!よろしくなっ!」
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