【完】小さなしあわせ、重ねよう。
3.ベッド

料理

.*..*..*..*..*..*..*..*..*..*.


…………あれ?


ベッドの中をいくら探っても、昨日のぬくもりは感じられなかった。


その代わり、食器を食器棚から出す音や料理器具と箸がぶつかっている音がこの部屋以外から響いた。

恐らく、畑辺が朝食を作ってくれている音だと思われる。


…最近、家事任せっきりだな。

確かに、何をするのも畑辺の方が上手いし手際もいいけど、頼りっぱなしというのは良くない。

…俺も手伝おう。

そう思えば、いつもの数倍は早く動けた。



キッチンに行くと、
髪をひとつにまとめ、服の袖を捲りあげて料理をする畑辺がいた。


「あ、おはよ!」


こちらに気付いて、朝から満開のひまわりのような笑顔を見せてくれた。

…朝から幸せな気分だ。


「おはよ」


だからなのか、
いつもより柔らかい声で返すことができたのかもしれない。



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