【完】小さなしあわせ、重ねよう。

永遠

.*..*..*..*..*..*..*..*..*..*.


"おめでとー!!"


そこらかしこから、
そんな言葉が挙がっている。


今日は大学の友人二人、藤井修也と藤沢奈々の結婚式に招待された。

もう、大学を卒業して1年が経った。


「おぉ、慶起ー!!」


白いタキシードに身を包み、こちらに嬉しそうにスキップして来る、今日の主役。

今は披露宴中だ。


「幸せ野郎が何の用だよ?」

「相変わらず冷たいことっ!久しぶりの再会だぜー?」


ワザとらしくため息をつきながら話す修也。
こいつは大学卒業後、大手製薬会社に勤めて、今では上司後輩共に信頼を集めている立派な営業マンだ。


「何を言うか、昨日会ったばかりだろーが」

「ふふっ、仲良いね二人」

「良くない。こいつが勝手に寄ってくるだけだ。間違えたらダメだ、えみ」

「もぉ、修也!一人でウロウロしないでっ!」


またまた今日の主役がやって来た。
淡い碧色のドレスを着ている。


「だって~、慶起と笑美ちゃん見つけたんだもんっ」

「だったら私にも言ってよ!」

「うぅっ...」


完全に母親に叱られる子供。


「まあまあ。私たち挨拶に行こうとしてたから丁度良かったよ」


二人のケンカ(?)和ませるのはいつもえみの役目だ。

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