煙草とあなたと幻と


まだ目をトロンとさせて、半分夢の中の美空は陽司にとって可愛くてしょうがなかった。本当は今すぐ押し倒したい、と不埒なことを考えていたけど、まだ寝かせてやることにした。美空の瞼にキスをして、耳元でささやく。

「もう少し寝ててもいいよ。俺、撮り溜めしてるドラマ見てるから」

陽司がそのすらっとした手で美空の目を覆うと、美空はすぐさま寝息をたてた。
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