初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。
「ちょっ、と!夕陽!」
緊張を抱えたまま教室に入ると。
駆け寄って思いっきり私の腕を掴み、入ったばかりの教室から連れ出すのは、私の親友。
「の、乃愛ちゃん?」
「南雲絢星と付き合うの!?」
大きな目を丸くして聞く乃愛ちゃんに、心臓がドクン、と跳ねた。
付き合う…。
私、そっか…南雲くんと“付き合う”の?
ってことは私、南雲くんの彼女、なの?
そう改めて意識した瞬間、かあっと熱くなる顔。
「ねえ、夕陽、そうなの!?」
「あ、た、たぶん」
「夕陽、南雲くんのこと好きだったの!?」
たぶん、という言葉に若干ひっかかった顔をしたけれど、それよりもと質問を浴びせてくる。