華は儚し

旅は様々なものを

学ばせてくれるみたいでした。


何よりも、

二人きりでいられることが

今の幸せでございました。


優しく私を愛してくれる宗十郎様を、

何十倍も愛します。


「待ち受ける危険は決して秋良だけではない。

だが、諦めたくはないのだ」


御布団の中で足を絡ませながら、

私の上に乗る宗十郎様が包み、

身体だけではなく心も慰めを施したのです。


「祝言をあげよう…

すべてを終えた時に」


寝耳の傍で小言を呟く貴方様を、

愛しいと思えた私は生きる道を踏みしめたいです。
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