そして、また

「る~い~‼帰ろぉ‼」

あたしはいつものように帰ろうとする。けど、あたしの脳内は思考停止。

いつも通り冷静な顔をする涙の隣でわたわたする山口。
これは一体何⁇

涙はそれをちらっと見て、フッと笑った。あの顔は気分がいい時にしかしない顔だ。あたしは確信した。涙は山口に惚れてる。完璧に。

そう思うと顔がニヤけてくる。
どうせ山口と帰るつもりなんだろう。
あたしにはお見通しよ、涙。

「蜜柑、あたし今日は用事があるの」

涙は山口をちらっと見て言う。
ほらね、やっぱり彼と帰るつもりなんだ。

あたしは適当に返事して教室から出て行った。

もし彼の事を好きだと気づいた時、あたしに話してくれるだろうか。
涙、あたしは応援するからね。
だって"親友"なんだから。
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