田中のくせに!!




「…なんだよ」



やっとあたしの視線に気づいた田中が、怪訝そうな顔をした。




「…別に?」




確かに関係ない。


ぜーんぜん関係ないけど。



わかってるけど。




…なんかすっごいムカついてる自分がいる。




「なに拗ねてんの?」



「拗ねてないから!」




明らかに拗ねているあたしに、田中はため息をついてリモコンをテーブルに置いた。




「ケンカの相談だよ。

あいつ、タツとケンカするといっつも俺に電話かけてくんの」



「…ふーん……」




…なんであたしは


……こんなに気になってんだろ。





「ま、どーせすぐ仲直りすんだけどな、アイツら」



田中が口の端をあげて、ちょっとだけ笑った。




……。





「さっDVDでも見ようかな!」


「は?DVD?」


「そ!今日かりてきたんだー!
田中も見よ!

超おもしろいやつだから!♡」




だから…




そんな顔で笑わないでよ…










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