田中のくせに!!





「……んで、田中がそんなこと言うの?」


「え?」



「別にそんなこと…田中に言われる筋合いないし」




…小夏に言われた時は、全然、何も思わなかったのに。




「田中には」




…田中にだけは





「…そういうこと言われたくないっ」



「あ、おい、周防!?」




あたしは食べかけのミネストローネを残したまま、席を立った。




そしてそのまま、自分の部屋のドアを勢いよく閉める。





「…はあぁー…」




…やっちゃった。




あたしはドアに背を預けたまま、ズルズルとその場にしゃがみこんだ。




…別にこんなに、カリカリすることじゃない。


田中だってきっと、軽い気持ちで言ったことなのに…




…でも田中には言われたくなかった。




…もう




……認めなきゃいけないのかも。




あたしは…










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