田中のくせに!!
昇降口に着くと、ちょうど岩槻くんは校舎を出て、校門に向かって歩いていくところだった。
慌ててあたしもローファーに履き替えて、岩槻くんを追う。
「岩槻くんっ…「先輩!!」
え…
岩槻くんの足が止まる。
「ねーアレって、聖女の制服じゃない?」
「ほんとだ〜」
誰かのそんな話し声が聞こえる。
校門の前に立って、
真っ直ぐ岩槻くんを見つめているのは
「…沖野さん?」
制服姿の、莉恩ちゃんだった。