田中のくせに!!





昇降口に着くと、ちょうど岩槻くんは校舎を出て、校門に向かって歩いていくところだった。



慌ててあたしもローファーに履き替えて、岩槻くんを追う。




「岩槻くんっ…「先輩!!」




え…




岩槻くんの足が止まる。




「ねーアレって、聖女の制服じゃない?」



「ほんとだ〜」




誰かのそんな話し声が聞こえる。




校門の前に立って、

真っ直ぐ岩槻くんを見つめているのは






「…沖野さん?」






制服姿の、莉恩ちゃんだった。






< 308 / 467 >

この作品をシェア

pagetop