田中のくせに!!
挑戦的に口角を釣り上げた瀬名晴人は、あたしの口を塞いでいた手で、今度はグイッと腕を引っ張った。
「じゃ、行こっかまどかチャ~ン」
「えっ?ちょっと待っ…」
強引に教室から引っ張り出されて、廊下を歩く。
振り向いても…
そこには誰の姿もない。
…まぁ、そうだよね。
追いかけてきてくれるわけ、ないか…。
『田中はどうしてそんなにいつも、あたしを心配してくれるの?』
『……それは』
…ねぇ、さっき。何て答えようとしてた?